2022年冬アニメ感想記事

ニコニコで視聴してると微妙に時期がズレちゃうから変なタイミングの投稿になりますね。今さらですけど。

今回は明日ちゃんが面白過ぎたんでそこだけ他と比べて長々と書いてしまったんですけど、冬アニメはCloverWorksが強すぎたんで仕方ない。

いつも通り大まかな感想をざっくり残しときます。

 

いつもの評価基準

A:特に面白く具体的にオススメできるポイントがあるもの
B:2期があれば観る
C:個人的には悪くない
D:微妙
S:比較が難しい

 

S「明日ちゃんのセーラー服」

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日常系、フェチ、ストーリーという要素の全てが刺さっててやばかったですね。いやヤバかったです。

 

いきなりフェチとはなんぞやって感じですけど、所作の一つ一つを丁寧に描きキャラクターの美しさをこれでもかと表現されていて、作画に変態的に力が入っているのが何よりも特徴な作品だったと思います。

こう、人間ってあまりにも凄いものと直面すると驚くよりも笑いが込み上げてくるもので、間違いなく人を選ぶ独特な絵ではありますが、自分は変態的な作画のクオリティを見ているだけでもずっと楽しめました。

フェチの内容を説明しろと言われてもたった1クールの中に詰め込まれ過ぎてて難しいので省きますが、あらゆるフェティシズムを内包したなんか妙に凄いアニメなのは間違いないです。

 

話の内容としては、生徒が一人しかいない田舎の小学校時代を過ごした少女が中学に入学し友達を作っていく日常系に分類される作品です。

個人的に好きなポイントとしてクラスの16人全員のキャラクターが印象に残るくらいキャラの掘り下げ方が良くできていて、最初はエピソードごとに一人一人クラスメイトと仲良くなっていくんですけど、一度スポットライトを当てたら終わりではなく、掘り下げたキャラの個性を後半でも上手く使っていたり、逆に1クールではメインの回が無いキャラクターでも、他のエピソードの要所要所で細かくキャラを立てる構成が非常に上手かったので、一人一人のキャラクターが大切にされているのを感じました。

 

特に印象に残ったキャラだと水上りりとの水泳対決が印象深いんですよね。ずっと一人だった明日ちゃんが初めて他人と競い合い少し成長したように見えて、日常系の優しい空気感の中に少しピリッとしたエピソードがあると他の話もより映えて好きです。

最終話のリレーシーンなんかは一度全力でぶつかったからこそのりりと明日ちゃんの信頼関係が見えて、他の友達とはちょっと違う関係性が尊かったです

 

後半は体育祭関連のエピソードで締められていたのですが、さっきの水泳対決もそうで、初めて人と競い合ったり、初めて人と協力して頑張る描写が特に良く、ちょっとネタバレ寄りのことを書きますけど、最終話前の話で小学校時代ずっと一人だった明日ちゃんのことを見てきた先生が、中学でいっぱい友達ができたことを知るシーンが特に印象深く、明日ちゃんの魅力と積み上げてきたものが垣間見える感じが好きです。

あそこから最終話の期待値を一気に引き上げ、その期待をはるかに上回る最終話のそれぞれのキャラクターの描写というか演出を見た時、心地いいぐらいに物語に引き込まれていて最高の作品に出会えたと、本当に楽しい時間を過ごせたなと思います。

 

最初は作画の印象が強すぎましたが、クラスメイトと友達になっていく過程を描いた日常系としても面白いですし、後半の体育祭関連は物語としても面白く綺麗に締めくくられた作品でした。

 

 

S「その着せ替え人形は恋をする」

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キャラクターの可愛さに突出した正統派ラブコメ作品って感じで面白かったです。感情をストレートに打ち込んで来るギャルって強い。

 

この作品登場するメインキャラが極端に少なく、乾姉妹が登場する数話以外はほぼ主人公とヒロインのみで話が展開されていたので最近だと珍しい感じがしますね。

主人公とヒロインの純粋な魅力にフォーカスしラブコメとして成立しているのが正統派として面白かった理由かなと思います。

 

ヒロインのキャラがめちゃくちゃ可愛かったというだけでなく、個人的には主人公もかなり高感度が高かったなと評価してます。

ヒロインのコスプレのために頑張る姿が真剣そのもので、単純に服飾の技術があるってだけでなく、衣装づくりのために原作の理解を深めようとしたり献身的な様子が印象的で、ヒロインのマリンちゃんそら好きなるなってなんとなく伝わるのが良かったですね。

メインの登場キャラが少ないっていうのは、その分しっかり掘り下げてキャラクターの魅力を引き出せるのと同時に、逆に言えば主人公とヒロインの二人だけで物語が成立できるくらい魅力だった証拠なのかなと思います。

今回ほとんど触れていないですけど乾姉妹もめちゃくちゃ人気のあるいいキャラクターでしたからね。魅力的なキャラクターがコスプレによって色んな可愛さが引き出されるのも面白いですね。

 

これ記事を書いてて気づいたんですけど、同じ制作会社でも明日ちゃんと着せ恋の性質って逆っぽいんですよね。明日ちゃんは1クールという限られた期間の中でクラス全員のキャラを要所要所で立てていったのに対し、着せ恋はキャラを絞ってしっかり深堀りしていった印象で、どっちが良いとかはなく両方の魅せ方で面白いのが凄いなあと。


A
「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」

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警察官の裏側がリアルに描かれたブラックジョーク寄りのコメディとして面白かったです。キービジュアルのイメージといい意味で全然違くて、キャラクターが野蛮で勢いのある作品でした。

まあ実際の警察に詳しい訳じゃないですけど、エピソードが具体的に描かれていて凄くリアルに感じましたし、警察官のバリエーション豊かなきつそうな仕事をキャラクターを使ってコメディに落とし込むのが非常に上手い印象です。

リアルに描かれる関係上シリアスなエピソードもドラマがあって良くできていました。真面目な所はとことん真面目にやりますが、ここでもキャラクターを上手く使って所々笑えるポイントを作り重くなり過ぎないような工夫もあって、純粋な警察のお仕事ものとしてもギャグコメディとしてもとてもいい作品だと思います。

 

A「スローループ」

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釣りを題材にした日常系作品。前に放送していた「ていぼう日誌」と違い本当のきらら枠

「ていぼう日誌」は部活ものとして釣り要素にしっかりフォーカスし、日常要素と上手く噛み合っていた素晴らしい作品なのでどうしても比較してしまうのですが、スローループはいい意味で日常系らしいゆったりした空気感に寄せていてこっちはこっちで良かったです。

釣りというものを通して家族というテーマを大きく扱っていたのが少し珍しい印象で、まあシリアスって程では無いにしても基本ゆったりした空気感は崩さず、家族というテーマを軸にキャラ同士の関係が深まっていく所が非常に良かったと思います。

 

僕が勝手に言ってるだけなんですけど、日常を脅かす存在がいた方がより日常の良さを噛み締められる通称「わたてんの松本現象」っていうのにちょっと近く、真面目寄りなテーマがあった方が日常要素の良さが上手く発揮されていて、釣り要素の描写も悪くなかったですしバランスのいい日常枠として重宝する作品でした。

 

A「錆喰いビスコ

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世界観の癖が異常に強くその独特さが個人的に気に入った作品。錆による病気が蔓延した世界というシリアスな世界観に加え、その錆を浄化できるキノコを駆使して戦う主人公という設定がオリジナリティ増し増しで良かったです。

めちゃくちゃ作画が動くってわけじゃありませんが、決めるべき所にしっかり力を入れて迫力のあるアクションシーンが描かれていましたし、展開が動いた瞬間にBGMで一気に盛り上げてギアが上がっていく感じが凄く自分に刺さったんですよね。

途中、勢い任せというか無理やりな展開だったり賛否が分かれるところはあったんで評価が難しいですけど、硬派な作風で独特な立ち位置を築いている作品なのは間違いないかなとは思います。

 

A異世界美少女受肉おじさんと」

これ絶対一発ネタで途中失速すると思ってたんですけど、登場キャラが大体全員濃くて後半までしっかり笑える作品だったので驚きました。

主人公二人のうち片方が女の子になってしまいお互いに好きにならないように謎の頭脳戦を繰り広げるなど、最初はネタとして成立しても中身は男だし途中から見るのきつくなってこないか?と思ってました。

しかし序盤からキャラ同士の掛け合いが面白く、キャラクターが登場するにつれて掛け合いのバリエーションも増えていったので最後までダレた印象はありませんでした。丁度いいタイミングで濃いキャラクターを登場させるから多分脚本が凄くいいんですよね。個人的には楽しく見れましたが、テンポとギャグがいいのでニコニコ補正はかなり強めな気がします。

 

Bありふれた職業で世界最強 2期

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こういう雑になんも考えずに見れる作品が1クールに1本あると嬉しいんですよね。

1期の時はチープでクソアニメ寄りだけど主人公のイキリ具合が吹っ切れててなんか癖になるというか、気軽に見られる立ち位置を確立した作品でした。

2期はクラスメイトのキャラが仲間に入り、主人公が振り回されることも多くなった結果キャラ同士の掛け合いも面白くなりましたし、毒気が抜けて前よりもさらに見やすくなったので、あんまオススメはしないですけど個人的には雑に見れて尚且つ面白いという貴重なポジションの作品でした。

 

B「プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2」

予算の暴力って感じで作画アホほど良くて戦闘シーンに力が入ってましたね。

キャラクーがめちゃくちゃ多くどのキャラも可愛いし総合的に良い作品なんですけど、シリアス方面の話が匂わせるだけ匂わせて疑問が残るというか、ちょっと置いてけぼりになった印象でした。恐らく原作をプレイさせる目的の方が大きいのかなと思いますし、細かい設定に匂わせはあっても話自体は奇麗に纏められていて全体としては評価高めです。

 

B「怪人開発部の黒井津さん」

ヒーローと戦う悪の組織を描いたギャグコメディ。毎週実在するご当地ヒーローがさらっと登場して変な面白さがあった。

後半は息切れしていた印象で評価はそこそこだったんですけど、最終話のそれまでに登場したご当地ヒーローや悪の組織のオールスターが共闘する展開が熱くて面白かったです。

 

B「天才王子の赤字国家再生術」

戦記物って言えばいいのかわからないですけど、外交であったり戦略戦術に重きを置いた作品で自分には新鮮で面白かったです。

戦記物といっても堅苦しいものではなくコメディ色が強い作風で、主人公の頭がいいと言うよりは敵側がバカなことも多かったのですが、予想以上のバカであるが故に主人公が振り回されるなど、エンタメ性に振っているため楽しく視聴できたかなと思います。

 

D「失格紋の最強賢者」

いつも通りのなろう。井澤詩織のキャラが登場してからはギャグのキレが良くなってそこそこ楽しめました。まあ全体的に見れば微妙ですけど。

 

S「王様ランキング」

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絵本のようなタッチの絵柄のため前期ノーマークで見てなかったんですが、ゴリゴリにシリアスな物語で作画の評判もかなり良いとうことで、2クール分を一挙放送で視聴しました。

非力な主人公の成長を描いた冒険ファンタジー作品。キャラクターのバックボーンの描写を重視しているのが特徴的で、それぞれのキャラクターの戦う理由であったり行動理念となるものが凄く丁寧に描かれ、一人一人が主人公かのように感じるような熱さがあったんじゃないかなと思います。

主人公が己の非力さに苦労しているのは勿論、非力であることの理由が途中明かされたり、その理由を作ってしまった人物にもそこに至るまでのドラマがしっかり練り込まれていて、後半になって展開が繋がってくることが多く面白かったです。

2クール目は国を取り戻すための戦いが全編を占めているのであんまり冒険感は無いかもしれないのと、微妙に戦闘が長い部分があったりもしましたが、最終盤の決戦がそれまでの物語を集約されていて最高の作画で描いてくれたので良かったです。

 

 

今回のアニメのOPEDだと王様ランキングと明日ちゃんのセーラー服のOPが好きでした。

王様ランキングの方は 2クール目の緊迫した戦いの雰囲気に合っていました。明日ちゃんのセーラー服のOPは青春というものが詰め込まれていてあまりにも眩しく映像と合っていて良かったです。青春感増し増しの曲好きなんですよね。

 

明日ちゃん作画だけでなくてBGMも自然に溶け込んでくる感じで良かったんですよね。この例え話適切か微妙過ぎますがゼルダのブレワイのBGMと感覚が近くて、印象に残るBGMと言うよりはメインのストーリーであったりゲーム性を邪魔しないように主張は抑え目、だけどしっかりその場の雰囲気を作ってる系のBGMみたいな良さがあって好き。こういうのなんて言うんですかね、自分の力だと上手く表現できなくてもどかしいですけど仕方ないですね。

 

今期は明日ちゃんと着せ恋の二強かなという印象なんですけど、明日ちゃんに関しては本当は1話1話語りたいレベルで密度の濃い作品で、まあ長すぎるので流石に辞めましたが、機会があったら本当に良い作品なので語りたいですね。