2020年秋アニメ感想記事

今期はやたら百合物が多かった気がする 

 

いつもの評価基準

A:特に面白く具体的にオススメできるポイントがあるもの
B:2期など続編があれば是非視聴したいもの
C:個人的には悪くない
D:なんとも言い難い
S:他と比較することが意味を成さないもの
EX:例外

 

A「魔女の旅々」 

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魔女である主人公が様々な国を訪れ旅をする一話完結型の作品。

常に作画が綺麗でクオリティの高さが印象的ですが、色んな国を旅をしているだけあって、ドタバタコメディのような話から重めの後味の悪いエピソードもちらほら存在する幅の大きい作品でした。個人的には明るめの話の方が好きで、主人公のイレイナと出番の多いサブキャラのサヤのキャラクターが良いおかげでコメディ色の強いエピソードが良かったと思います。特に印象に残っているのは嘘がつけない国でサヤと共闘するドタバタ回と、イレイナの髪が切られる回ですね。中々純度の高い変態が出てきてめっちゃ笑いました。

重めな話は賛否があったと思いますが、それも含めて色んなことが起きるのが旅なのかなと思いますし、シリアスな国があるからドタバタコメディ系のエピソードが映える部分はあると感じているので、まだまだたくさんの国のお話が見たいと思わせてくれる良い作品でした。

 

A「体操ザムライ」

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 引退を迫られた元銀メダリストの体操選手がもう一度立ち上がる王道のスポーツ物の作品で、とにかくストーリーのまとまりが良く綺麗に完結させた質の高いアニメでした。

主人公に限らず登場キャラが目指すべき道を見定めて再起していくなどそれぞれのドラマ性が良かったなと思いますし、特に8話のキティチャン来日回は最初このキャラなんのために出てきたんだろうなと思っていたのが、主人公以外のメインキャラ二人にもう一度バレエに向き合うきっかけや夢を見定めて追いかけるきっかけを与えた重要な役割を果たしていたのが印象的ですね。

肝心の主人公の体操描写は最終回まで溜めに溜めて一気に爆発させて躍動感のある鉄棒の演技シーンを魅せてくれたので、一番盛り上がるポイントにしっかり作画のリソースを割いていたのがとても良かったです。

今期は日常枠が強かったので物語にしっかりとした芯のある作品が一つあると全然違うなと思うので1クールに一つはこういった純粋に王道のアニメが見たくなりますね。

 

Aラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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個人的には今までのラブライブの中で一番面白かったなと思います。というのも今回の物語はグループでの活動ではなくメンバーそれぞれがソロアイドルとして活動しており、一人一人にしっかりとスポットライトを当てて掘り下げられていたのが良かったです。グループではあるんですけど、一人一人スクールアイドルに対する信念や目標が違っていて、話の中で自分の目指すべきアイドル象を見つけていき、各話の締めのライブシーンで各々の理想とするアイドルを表現されていたのがとても伝わりやすく面白かったです。ここに関しては構成面の工夫と力の入れ具合が凄かったですね。先ほども書いた通り、個々の掘り下げ→ライブシーンにて表現。の流れがとても高評価で、ライブシーンを毎話9人分作っていたのが見せ方の拘りを感じさせてくれました。

印象に残っているキャラはかすみん、ライブシーンは宮下愛で、あの勢いのある元気爆発みたいなライブが凄く好きですね。
 

A「いわかける」

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今期のダークホース枠でかなり評価が上がった作品。

スポーツクライミングというマイナー寄りな題材のスポ根作品で、ぶっちゃけ最初の方は絵柄も古くライバル校のキャラ達も色物ばっかでどうなのかなと思っていましたが、その他校のライバルキャラがやたらいっぱい出てくる5話あたりの大会から一気に評価が上がりました。実際に大会が始まりライバル達の出番が来ると色物と言った通りそのキャラの濃さでいい意味でネタ要素強めの作品となり笑わせてくれのと同時に、本筋のスポーツ物としても展開が熱く、主人公が自分の特徴をフルに発揮し始めたあたりはスポ根作品の醍醐味が詰まっていたと思います。

自分はスポーツクライミングについてこの作品で初めて知りましたが、意外と種目やレギュレーションが色々あり、マイナーな題材ならではのどうやってその題材をわかりやすくするかの課題はあったと思います。今思えば色物キャラ達は良くわからない競技でも飽きさせず徐々にどういった競技なのか理解させる効果があったのかなと思いますし、他には途中まで種目を一つに絞っていて終盤からスピード重視の競技にもスポットを当てるなど複雑にならないような工夫がされていたのかなと感じました。興味の無かった題材が気づいたら理解が深まっているのはとてもいい作品の特徴だと思います。

原作のストックが無い影響で最後だけは駆け足で無理やり締めくくった感は否めませんが、王道のスポ根作品としてもネタ要素のある面白作品としても楽しめたいいアニメでした。

 

Aダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ」

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※若干ネタバレあり

人気シリーズの三期ですが個人的には1期2期そんなに嵌らなかった作品という評価の中で今期は抜群に面白かったです。

展開の熱さもそうですが、3期の後半は今まで味方寄りだったロキファミリアとの衝突も描かれており、直接対決とまでは言えませんが、今までの積み上げで強いことがしっかり認識されている分、対立構造になった時の盛り上がりが凄まじかったと思います。

最終話の戦闘シーンの作画の迫力は印象に残っていて今回のエピソードの力の入り具合が伺えました。

 

 

A「おちこぼれフルーツタルト」

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 汚いきらら枠としか形容できないのですが実際とても面白くて困る枠でした。

登場キャラが女の子ばかりの百合要素強めの作品のはずなのに、愛という言葉よりも性欲という言葉の方がこの作品をよく表しているような気がして、登場キャラに変態があまりにも多く、それゆえの突き抜けたキャラクター性を生かしたドタバタコメディ感がこの作品の武器だったと思います。ただこのアニメの凄いところは、突き抜けた変態達のコメディだけでなくアイドル物としてのライブシーンがしっかりと丁寧に描かれていたのも特徴的でした。止め絵を要素要素で挟みつつ、その分をしっかり見せ場の作画に力を入れ、ライブシーンが生き生きと動いていたので見せ方が非常に上手いという印象でした。普段のギャップというかあまりにも落差が凄いのがずるいですね。

日常枠として変わり種ではありますが、こういうのもありなんだなと驚かされた作品だったと思います。

 

B無能なナナ

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 内容喋ったら全部ネタバレなんであんま詳しいことは書きませんが、メインのストーリーに捻りがあってとても面白い題材だなと思いました。

ちょっと途中のギミックなど怪しいところもありましたが、次の展開がずっと気になり引き込まれていたなとは思いますし、最終話の後がどうなってしまうのかまだまだ見てみたい作品だったので続編を期待したいです。原作の都合上どうしても中途半端になってしまうのは仕方ないですし、無理やりアニオリで締めくくるよりも今回のラストは意外で良かったと思います。

 

B魔王城でおやすみ

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 囚われの身のお姫様が安眠のために魔王城を探索するドタバタコメディで、最初はすぐにネタ切れすると思っていたのですが、最後まで一切失速しない素晴らしい地力を持った作品でした。

魔王城に囚われているといっても魔王側が基本いいやつばっかりで温かい世界だったのが良かったのと、その分姫様がやりたい放題のキャラクターをしていてコメディ作品として絶妙なバランスでした。序盤にネタ切れするどころか個人的には後半の方が思わず笑ったシーンが多かったように思いますし、人間界に何人かで繰り出す話と勇者の話あたりが特に面白かったですね。姫のキャラがあまりにも尖っていて勢いで笑わせてくれて楽しめるのが最大の武器だったのかなって感じですね。

 

B魔法科高校の劣等生 来訪者編」

 今回も前作に引き続きこの作品らしい、いい意味で俺つえー系を貫いていたと思いますが、今回登場したリーナの絶妙なポンコツ感がそれをより引き立たせつつ程よいネタ要素を提供してくれていたのが良かったです。

ただこの作品で一点だけ前から気になっていることがあって、BGMの使い方が変なんですよね。今回の事件が解決し、シーンが切り替わったあとレゲエみたなBGMが流れてきて「さっきまでシリアスだったのに急に雰囲気ぶち壊すようなようなBGMに変えてきたなあなんのシーンだろ」とか思っていたら「卒業式」とでっかい看板が出てきて、いや卒業式のしめやかな空気になんでレゲエぶっこんでくるのかほんとにわからなくて、独特の感性というか雰囲気の作品になっているのがちょっと疑問が残りますね。

 

B安達としまむら

 百合ものの恋愛作品。メイン二人のキャラの絶妙な距離感とか良かったんですけどちょっと途中から安達のガチ感が凄まじかったですね。しまむらのサバサバした感じは結構好きなんですけど。

この作品感想が難しくてどうしても「やがて君になる」が頭にチラついてあちらと比べるとあと一歩引き込まれるものが足りてないように感じてしまうんですよね。まわりの友達もキャラが良かったので雰囲気いいですしこちらも十分に面白かったのは間違いないです。

 

C「神様になった日」 

結末は嫌いじゃないんですけどいかんせん尺のバランスが悪かったので最後の方主人公の動きがおかしくなってたように感じたのが残念でした。中盤までワクワクして楽しみにしていたのでそこそこの評価で、伊座並さんのエピソードは良かったです。

 

C「戦翼のシグルドリーヴァ」

ストーリーはそんなですけどキャラが抜群に可愛くて戦闘シーンも良かったと思います。特にアズズの振り回される感じのキャラが好きでしたね。非常に可愛らしい。

 

C「くまクマ熊ベアー」

 ひたすら可愛らしくほんわかした作品だったのですが、俺つえー要素はあんまり噛み合ってなかったようにも感じたので、「痛いのは嫌なので防御に極振りします」の見せ方って凄かったんだなと実感しました。とは言えこっちはこっちでゆるく見れるのは評価が高かったのでわりと楽しめました。

 

C「君と僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」
古き良きラノベアニメといったところで、ヒロインが敵国の王女で大筋のストーリーはちょっと捻ってありましたが、敵側のはずなのにヒロインクッソちょろくて中身はわりとコテコテだった感じはしますね。作画は安定していますし、主人公が見せる時は見せてくれたおかげで割とかっこよかったので、このコテコテのラノベアニメ感が結構好きだったりしますね。あと女の子キャラの乳がやたらでかい。

 

D「100万の命の上に俺は立っている」

 主人公とかあれなキャラが多かったけど、途中で出てきたカハベルさんのキャラが良かったからわりと嫌いじゃない。

 

D「神達に拾われた男」

話の起伏が薄い作品でしたがなろう作品で戦闘一切無しでスローライフを描き切っていたのは良かったです。

 

S「呪術廻戦」

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 元々原作が好きでストーリーは全部頭に入っているのですがアニメの戦闘シーンの作画にとにかく力が入っていて良かったです。無量空処のシーンだけはちょっと綺麗すぎた節があってここは原作の方が好きだったのもあって上に画像を貼っておきます。

1クール目の節目として吉野順平のエピソードは演出面も素晴らしく文句無しで、見せ場の領域展開、自閉円頓裹の演出は真人の不気味さの表現が最高だったので2クール目も楽しみにしています。

 

Sご注文はうさぎですか?BLOOM」

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 可愛さに重点を置いた日常系アニメの頂点だなと改めて実感しました。

今期に関してはストーリー性も非常に良く、ただゆったり見ていても癒されるのに話まで面白くバケモンだなとしか言いようが無かったです。中学生組の3人が進学について真剣に向き合うところで、それぞれが考えを持って自分たちの道を選んでいったのが良かったのと、特に印象的な話だとココアと千夜の高校の学園祭のエピソードであの二人が普段学校でどんな生活をしているのか垣間見えたのが個人的には嬉しかったです。リゼシャロのお嬢様学校に潜入する直前の同級生とのやりとりや、学園祭での雰囲気がとても好きで、それを見たチノが影響受けて自分の道を決めたのも良かったですね。

チマメ隊が卒業アルバムのために各々でちょっと背伸びする回はそれぞれの道を進みながらもほっこりするエピソードで、やはり今期はチマメ隊が今までにないくらい輝いていたと思います。流石に個々のキャラのエピソードにまでは触れるとキリがありませんが、今回のごちうさは日常系でありながらキャラクターに変化が見られるストーリー面の良さがありながら、同時にスポットの当たったキャラクターの可愛らしさも全力で引き出してくれる素晴らしい作品だったと思います。